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※日名保彦会員の東南アジアサイクリングのレポートです。



ネット時代の自転車旅

日名 保彦

 

手元に、1983年タイ政府発行のハイウェイマップがある。

30数年前仕事で度々訪れていたころ、タイの友人に貰ったものである。今、旅から帰ってこれを見直しているが、少なくとも走行した道については、全く変わっていなかった。

 

観光客に地図は要らない。ガイドブックさえあれば良い。しかし、自転車旅に地図は必須である。できれば地形の解るものが良い。今回、東南アジア四カ国-タイ、ミャンマー、カンボジア、ベトナム-を走るにあたって、バンコクに着いた日、まず本屋で地図を買った。30数年前の地図ではいかにも心もとなくタイの地図も購入した。しめて5,000円ほどかかってしまった。次にいつでもどこでも飛行機の予約が出来るようにと、SIMフリーのタブレットをSIMカードといっしょに買った。こちらは約17,000円。ミャンマー、カンボジアでもSIMカードを買換えたが、約200円で1ヶ月使い放題である。東南アジアの通信料の安さには驚かされる。必要なセッティングは、どこの国でも購入した店がすべてやってくれた。

バンコクの宿に持ち帰って、早速いじっていて気が付いた。いつものスマホより画面が大きく、老眼でもGoogle Map が良く見える。チェンマイからの予定コースをたどると、なんと小さなゲストハウスまで表示されるではないか。しかもストリートビューや衛星写真でおおよその地形がつかめ、GPSで自分の位置が確認できる。それからの自転車旅はまさにこれが頼りの旅となった。ミャンマーの地方道には道標などほとんどない。不明瞭な分かれ道になると、休憩がてらにタブレットを開く、そしてGPSをオンにする。これの繰り返しで、迷うことなく走り、またどこでも簡単に宿を見つけることができた。おまけに日本のニュースもリアルタイムで知ることができ、Lineを使えば無料で国際電話もできた。

 

最近見かける自転車旅をしている人は、たいていマウンテンバイクかホールディングバイクに乗っている。自分のものは、ランドナーと言われるちょっとクラシックな旅用自転車で、着けているバックもまたクラシックな帆布製である。部品調達のし易さ、列車やバス、飛行機を使った移動のし易さなどを考えると、絶対ランドナーの分が悪い。それでも、昔出来なかったことを、還暦をすぎてやっている自転車旅である。自分の好みに合った昔ながらのランドナーをこれからも乗り続けようと思う。しかし、硬くなった頭を少し柔らかくして、地図情報などはネット時代の恩恵を受けて、効率よく安全に旅をしたい。そうすることが、シニア自転車トラベラーが多くの国を回るコツのひとつのように思えてきた。

新しい有料高速道路が載っていなくても、どうせ自転車の通行はご法度。30年前のハイウェイマップも自転車で走る分には全く問題ない。使いたい物、使える物あるいは使うべきものを用に応じて使い分ける。そんなことを考えながら、色んなシーンを思い出しつつ、走ってきた道に沿って30年前の地図に赤線を入れている。



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