評議員 安東 浩正
1995年冬季チベット高原6500km横断、アラスカ2000km(2002年)、冬期シベリア14927km横断(2002年9月1日~2003年5月6日)
著書「チベットの白き道」(山と渓谷社)同翻訳書台湾で出版
第8回植村直己冒険賞受賞
NHKTV「トップランナー」、フジTV「クイズミリオネラ」、スカイパーフェクトTV「チャンネル北野」などに出演
ホームページ:荒野のサイクリスト
植村直己さんへ憧れる安東浩正は胸中温存していた「シベリア挑戦」への準備を整え、長年勤務していた商社を退職する。2002年2月、アラスカで零下30℃の強化訓練を行い、2002年4月から6月、北極海プルードベイから2000km走破し、北米最高峰マッキンリーに登頂する。
北極海ムールマンスクを2002年9月1日に出発して以来248日、14927kmを走破し、2003年5月6日午後8時、極東シベリアのオホーツク海に面したマガダンに到着した。地元テレビ局の取材により多くの人が祝福した。前人未踏ともいえる冬季単独シベリア大陸自転車完全横断を、ついに安東浩正評議員(33歳)が成し遂げた。
シベリアへと魅かれた要因はその未知なる荒野の広がりと、他の世界では見られない厳寒な環境への興味につきない。中央シベリアのトムスク付近では、零下42℃の中を走行する。零下30~35℃までの世界しか知らなかった安東の寒さに対する常識をくつがえした。過去の零下30℃の世界で通用していた装備が通用しない世界がそこには存在していた。自分の体から発散する水分でテントもシュラフもジャケットもみるみる凍っていく。テントの中でじっと長く停滞しているだけで危険な世界である。