「少年の日の夢を」
少年の日に出会った世界は、一生、僕のものになった。
自転車という“出会い”から与えられた希望と喜びを、多くの人に伝えたい。
僕がそうであったように、みなさんもそうであってほしい。
大きな星へ
万人の願望である「もっと遠くへ」のコンセプトは、
「人類進歩の原動力は冒険にある」へのチャレンジ
精神であり、勇猛果敢な挑戦者たちは、自転車を愛
馬ロシナンテにみたて夢と希望を求めて、見果てぬ世界へと旅立つ。
まさに、「青春の特権は冒険に賭ける可能性にある」といえるからだ。
小さな星へ
少年の日の夢を─────────────
僕にとって、“自転車”は、少年時代に欲しくて欲しくてならなかった乗り物でした。
その自転車が、区民体育大会のプログラムについていた抽選番号で二等の賞品として僕のものとなった時のあの感激が、僕を自転車の旅人に仕立てあげた。
自転車が自分のものとなった10歳のころ、時を同じくして連載されだした『少年ケニヤ』(山川惣治作)という東アフリカを舞台にした絵物語との出会い。
そして、中学生のある日、ヘミングウェイ原作の『キリマンジャロの雪』という映画との出会い。
僕は完全にキリンやシマウマ、象などの野生動物の群棲するアフリカのとりことなった。
──その昔から土地の人々に“輝ける山”とあがめられ、赤道直下、万年雪をいだくアフリカ大陸最高峰のキリマンジャロ(5895m)。
※その詳細は拙著『アフリカよ、キリマンジャロよ』(サイマル出版会刊)に詳しい。
こんなめぐりあわせの結果、自転車で“キリマンジャロ”に登るんだという少年の日の夢を育み、僕をいつの日か世界を旅する夢追い人へと誘った。
僕は、この“少年の日の夢”のおかげで世界中の多くの人々と友情を交わすことができ、JACCの素晴らしい仲間達とも出会うことができた。
ロマンいっぱいの若き日の“タルーゼ号”の旅は、小さな僕とのデッカイ、デッカイ出会いがあったからこそだと思います。
とくに夢多き“小さな星”のみなさんも、そんな“出会い”を大切にしてほしいと思います。
タルーゼ号の旅人
ペダリアン池本元光