第2回 地球体験ペダリアン大賞
第2回は、候補に挙がったスイスのハイジ・トリエットさん(32=女性、中南米の孤児救済が目的)、英国のソフィ・レイノルズさん(23=女性、エチオピア・エリトリア地区難民救済が目的)、仏国のベネディクト・ストームさん(29=女性、看護師)、米国のジョセフ・ハーネスさん(62)、同パット・パターソンさん(50)、独国のバーンド・シューベルトさん(38)らの世界旅行。
そして、日本の川端裕介さん・るり子さん夫妻(共に34、シルクロード完走)、松島章君(15、56インチ一輪車米大陸横断)、中務顕貴君(12、日本縦断)の6カ国10名の中から選考を重ねた結果、北海道旭川市立陵雲小学校6年、中務顕貴君が夏休みに敢行した最年少日本列島縦断(1992年7/16宗谷岬~8/21佐多岬間2897km)に贈ることを満場一致で決定。
中務少年の周到な準備による“勇気”と“行動力”は、多くの人々に感動を与え、チャレンジ精神の大切さを広く知らしめた活躍。(多くの新聞、テレビ等が報道)
92年12/23、ユニセフ大使の黒柳徹子さんの希望で「徹子の部屋」TV朝日にゲスト出演)は大変意義深く、選考委員が素直に受け止めた大きな理由でもある。
贈呈式は3月28日、東京・科学技術館で開催中の「アドベンチャー・サイクリング・フェア」(主催/財団法人日本自転車普及協会・財団法人日本科学技術振興財団、後援/日本自転車振興会・財団法人自転車産業振興協会・社団法人日本自転車工業会・財団法人日本サイクリング協会、主管/JACC)会場で挙行、栄誉を讃えた。
平成の日本はすごい時代に突入したものか。……なんといっても昨夏(1992年)、最年少自転車日本縦断を遂げ日本中の話題を独占した北海道旭川市の小学校6年生中務顕貴君のあの“勇気”がやっぱりすごい。
顕貴少年は1991年10月に自分の意思で日本縦断計画を立案。1992年4月の雪解けから特注のMTBで本格的に練習を開始。その年までは「フツウの子供」で、自転車には6歳から乗りだしたそうだ。日本縦断への思い立ちは1991年夏、宗谷岬から襟裳岬までの北海道徒歩縦断700キロに参加したことがきっかけのようだ。かくしてチャレンジ精神旺盛な少年は1992年7月16日宗谷岬を発ち、日本海側を南下し、8月21日2千800キロを走破して九州最南端に着き、黒木佐多町長に出迎えられた。顕貴少年はしっかりと握手を交わし、話す相手の目を見る真剣さが印象的で、礼儀正しく挨拶する姿勢は世界に通じる一級品だ。
JACCは1993年3月28日、東京・科学技術館において、最年少自転車日本縦断を達成した中務顕貴君に「地球体験ペダリアン大賞」を贈呈した。中務少年の「勇気」と「行動力」を高く評価し、満場一致で決定したものだ。賞状、大賞レリーフ、副賞として図書券5万円が手渡され栄誉が讃えられた。
中務少年は「5年に一度の賞を世界で一人選ばれて大変嬉しい。会場に来て下さった皆さん、どうもありがとう。」と、しっかりした口調で丁寧にお礼を述べた。