30定年台湾自行車旅遊
※日名保彦会員の海外サイクリング初挑戦レポートです。
京都 日名保彦
体力再構築のために59歳から乗り始めた自転車。その自転車にこんなハマリ方をするとは・・・。
半年ほど経った頃、中西大輔氏の著作を読み、還暦後の海外自転車旅行を思うようになりました。そして退職記念に700Cのランドナーを買い求め、下調べを始めました。JACCに入会すると多くの方に、最初の海外サイクルには台湾をと勧められました。
10月7日いよいよ定年退職。年金などの手続きを済ませ、格安航空券を購入し、旅程を考え、台北のホテルだけを予約して11月18日に出国しました。「年寄りの冷や水」とならないよう台湾に入ってからも下調べ兼ねた観光をしました。
そして11月24日、台北市内から淡水河自行車道(台湾では自転車を自行車、鐡馬と言う)を北上し東シナ海岸に出て、時計回りの一周を開始しました。この時期の台湾北部は北風が強く、走り出すまで右回りか左回りかを決めかねていましたが、急峻で上り下りの多い東海岸での向い風を避けて右回りとしました。1日の走行距離を約100km、雨の日は走らないことにして、16日間の予定でした。最北端の石門を見て基隆、最東端の三紹頭から蘇澳、清水断崖を見て太魯閣、花蓮を経由して豊濱、花東公路を北風に押され台東へ、東海岸と西海岸の分水嶺である壽卡を経由し墾丁、これで半周が終了。最南端の鵝鑾鼻を見て西海岸を北上し高雄、台南を経由し阿里山の拠点となる嘉義へ、そして日月譚、台中、新竹、八里から淡水と一周してきました。嘉義への途中、台南を出てしばらくした所でリアディレーラーが破損し走行不能になり嘉義までの約50kmと、雨が強くなった新竹までの約80km、計130kmほどは台湾国鉄に乗りました。台鐡の主要路線では、自転車をそのまま乗せられる便が1時間に1本ほどあり子供料金で乗せてくれます。
ということで完全一周とは行きませんでしたが、総走行距離は約1200kmでした。多くの台湾の方々に世話になり、励まされたりして、楽しく一周できました。また台北市内の書店で買った大興出版社股仔有限公司刊「環島地図-単車・機車通用版-」は大変役立ちました。コンビニの位置、宿の名前、名所名物などが示してあり、これに載っている安宿にも4泊しました。宿の紹介のない町では、警察に民宿を紹介してもらいパトカーに先導されて民宿に行ったりもしました。間違って自動車専用道に入りかけて呼び止めてくれたロードバイクの人にはその後先導してもらいました。自転車の販売より修理に力を入れているような店を宿で紹介してもらい、安く手早く自転車を修理してもらいました。
今回の台湾旅行で感じたのは、とにかく台湾の人々の優しさです。道路には自転車バイク用のレーンがあるし、老人が多数電動老人車で街に出ています。またバイクの後輪に補助輪をつけた改造四輪車に松葉杖を乗せた障害者ライダーも多数見ました。エレベーターのない駅ではホームに車椅子の昇降設備があり、自転車もこれを利用し線路を横断して隣のホームに移動させてくれました。台湾の人は基本的に弱者に優しいです。中国について良い報道はありませんが、台湾は中国とは全く違うようです。
今はいろいろな国を走って細切れでも世界一周をしたいと考えていますが、台湾にもまた行って、次は標高2500mを越える横貫公路を走ってみたいと思っています。I love Taiwan. 我喜歓台灣!